学生アンバサダーがゆむら商店さんへ取材に行ってきました!

~無理なく、ゼロウェイストに~

皆さんこんにちは!
「みやぎゼロカーボン学生アンバサダー」の白倉・小林です。

今回私たちは、ゼロウェイストな(ごみをゼロにする)取り組みを皆さんにお伝えするため、プラスチックフリーで洗剤、日用品、オーガニック食材を販売している「ゆむら商店」さんに取材に行ってきました!

ごみを極力出さず、環境に配慮した買い物ができる素敵なお店。店主の湯村香子さんに、開業のきっかけや日々の思いについてお話を伺いました。

~「みやぎゼロカーボン学生アンバサダー」とは?~
宮城県知事からの委嘱を受けて、「みやぎゼロカーボンチャレンジ2050県民会議」と連携し、ゼロカーボンに向けた活動に取り組む学生メンバーです!今年度は7名で活動しています。

取材にご協力いただいた店舗
「ゆむら商店」湯村香子さん

インタビュアー(学生アンバサダー)
白倉、小林


「ゆむら商店」ってどんなところ?

ゆむら商店は、大崎市岩出山にあるゼロウェイストショップです。洗剤や食材を「量り売り」で販売しており、購入の際は、お家で使っている空き瓶やタッパー、布袋、洗剤の空き容器などを持参して商品を詰めるスタイルとなっています。

この仕組みによって、包装ごみをほとんど出さずに買い物ができ、日々の生活の中で自然に「ゼロウェイスト/脱プラスチック(脱プラ)」を実践できる場所になっています。

また、地域のお店と協力しながら量り売りで買い物ができるマルシェを開催するなど、地域全体を巻き込んだゼロウェイストな取り組みを広げています。


「ゆむら商店」を始めたきっかけ

白倉:このお店を始める前は、どんなお仕事をされていたのでしょうか?

湯村さん:今やっていることとは全然違う仕事をしていました。子どもが3人いて、5年前に3人目が生まれたのですが、その妊娠中にプラスチックが体にもたらす影響についてすごく気になった時期がありました。
調べていくうちに、「子どもたちが大人になる頃、どんな環境が残っているのだろう」と考えたとき、このままではまずいのではと思い、脱プラ生活を始めたんです。

白倉:脱プラ生活を始めたところから、お店を開くことになった理由を教えてください。

湯村さん:脱プラ生活を始めてみて、「量り売りならプラスチック包装なしで買えるのに、近くにそういうお店がない」と気づきました。脱プラ生活の先輩である妹にその話をしたところ、では一緒にゼロウェイストのお店をやってみようということになり(現在は妹は経営からは離れています)、ちょうど育休中だったので、週末だけ量り売りのお店を始めてみようと思ったんです。なので最初は、育休明けは会社に戻ろうと思っていました。

でも、実際に始めてみると想像以上にやることが多く、気づけば会社に戻るタイミングを見失っていました。
また、環境負荷の上に成り立っている側面がある企業の中で働きながら、週末だけ環境問題に取り組む店をするという矛盾に自分を納得させることができるだろうかと思い、いろいろ悩みましたが以前の仕事は辞め、お店の経営に専念することにしました。


湯村さんは「プラスチック問題への気づき」をきっかけに、暮らしの中で感じた違和感を行動に変え、お店を始めたそうです。


ゼロウェイストはストイックすぎなくてもいい

白倉:湯村さんがお店を始める前に脱プラ生活をしていた際は、どのように取り組んでいたのですか?

湯村さん:最初はまず、台所や洗面所などの自分のテリトリーから見直しました。ヘチマスポンジを使ったり、蜜蝋ラップを持ち歩いたりしたのが始まりです。

布バッグを持ってパン屋さんに行って「これに入れてください」と言ったり、魚屋さんでも包装なしで買えないか聞いてみたり、ひとりで頑張ってみました。

でも一般的ではないので、お店側も手間になるし、衛生面のこともあって断られることが多かったです。それが続いて、外で買い物をすることに難しさを感じるようになりました。

白倉:そのようなひとりで取り組む難しさを経験してきた上で、現在ではゼロウェイストとどのように向き合っていますか?

湯村さん:今はだいぶ考え方が緩和されたというか、そんなストイックにやらなくてもいいかなと思うようになっています。
パン屋さんに行っても、タイミングで言えるときは「このバッグに入れてください」と言いますけど、忙しそうならビニールに入れてもらうこともあります。

白倉:その「ストイックすぎなくてもいい」という考え方は、取り組むハードルを下げてくれそうですね。僕も身近なことには取り組んでいるんですけど、どこまでやればいいかのバランスが難しいなと感じることもあります。

湯村さん:そうですよね。ストイックにやりすぎると、人間関係にも影響してくるというか…。もらい物も「これは…」と断れないじゃないですか。
だから、気持ちよくもらうことも大事。人間関係の流れを妨害してまでやるのは違うのかなって思います。さじ加減が難しいですね。


「できる範囲で、続けられる形で」という湯村さんの言葉は、これからゼロウェイスト/脱プラを始めたい人にとっても、背中を押してくれるメッセージでした。


お店の内装にも「ゼロウェイスト」の工夫が

ゆむら商店さんは、湯村さんのご家族がもともと酒屋をしていたお店をリフォームしたもので、内装にも強いこだわりがあるそうです。

廃材を利用した壁(画像①)

木の先端部分を利用した棚(画像②)

小林:入ったときから木のぬくもりを感じました。調べたときに古材を使っていると知ったのですが、建築の時点からゼロウェイストを意識されていたんですか?

湯村さん:そうですね。同級生の建築士さんにデザインをお願いしました。岩出山でこういうお店をやりたいと伝えたら、「内装も無駄を出さないようにしたいね」という話になりました。

この壁(画像①)が象徴的なんですけど、築60年くらいのお家の外壁を剥がして張ったものなんです。洗って乾かして張っただけで、何も手を加えていません。まさにリユースですね。

棚の柱(画像②)になっている部分は、木の先端部分を使っています。あまり強度がなく重いものには耐えられないので、一般的には建材として使われない部分なんです。レジカウンターの側面も県産材で栗駒の材を使っています。普通はチップにして紙にしたりペレットストーブの燃料にしたりすることが多いそうです。

小林:林業も担い手が減っていますし、こういう形で木材を無駄なく活用できるのは素敵ですね。


お店の建物そのものが「捨てない工夫」でできていることに、私たちも驚きました。買い物だけでなく、空間そのものからも「ゼロウェイスト」を感じられる場所でした。


日々お店で感じること

白倉:ここからは、実際にお店を運営している中で感じることや意識していることをお聞きしたいと思います。日々お店を運営する中で、嬉しさややりがいを感じるのはどんなときですか?

湯村さん:「おいしかった」と言ってくださるのはもちろん嬉しいですけど、そこからさらに「意識が変わった」ということを伝えていただけると特に嬉しいですね。

最近は環境だけでなく、パレスチナの問題などにも関心を持って現地の商品を取り扱っているのですが、「関心を持った」「署名した」という話を聞くと仲間が増えたように感じます。

白倉:意識が変わるまでには時間がかかることもあると思いますが、お客様はスムーズに量り売りを受け入れているのでしょうか?

湯村さん:容器を持参しての量り売りを、楽しいと感じて毎回容器を持ってきてくださる方もいれば、どうしても面倒に感じる方もいらっしゃいます。例えば、毎回新品のビニール袋などを持ってくる方がいたときに、以前はすごく気になって「それでは量り売り(ゼロウェイスト)の意味がなくなってしまう」とお伝えしていたこともありました。

ただ最近は、少し様子を見ながら声をかけるようにしています。というのも、いきなりはっきりと伝えてしまうと、量り売りやゼロウェイストへの入り口が閉ざされてしまうかもしれないと思ったからです。

先ほども言ったように、ストイックになりすぎなくてもいいけど、自分にできる範囲で少しでも環境負荷の低い選択をしてもらえると嬉しいです。

白倉:お店で扱っている環境負荷の低いオーガニックなどの商品は値段が高くなりがちなイメージがありますが、商品の価格について意識していることはありますか?

湯村さん:どうしてもオーガニックのものなので、慣行栽培で育てられたものよりは高くなってしまうのですが、包装がない分普通のオーガニックの商品よりは安く買えるようになっています。

一般的な商品は、パッケージ自体の値段プラス、パッケージのデザイン料も上乗せされていると聞きました。田舎は都市圏と比べると経済的余裕があまりない人も多いため、価格は一つテーマとして考えていきたい部分ではありますね。


「お店を通じて仲間が増える」ひとりでは心細いことも、みんなと一緒なら続けられるということを強く感じました。


今後に向けて

白倉:今後このお店を通じてやってみたいことはありますか?

湯村さん:量り売りをするのも楽しいですけど、デポジット制であらかじめ瓶に入っているものを買ってもらうのも便利でいいかなと思っています。スーパーで並んでいるものを買うのと同じような感覚で買えるようになって、購入のハードルが下がってくれるといいですね。

一方で、お店をやってわかったことなのですが、瓶に対して抵抗がある方もいらっしゃいます。例えばお年寄りの方からは、瓶は重く、持っていると割りそうで怖いという声を聞きました。瓶以外で良いものがないかと、他の選択肢の検討も進めています。

白倉:環境問題などにまだあまり関心がない人に、どのようにお店の魅力を届けていきたいですか?

湯村さん:「おいしい」とか「安心」とかから入ってもらえたらいいのかなと思います。仕事や家庭が忙しい中で、環境のことまで気が回らないという方も多いと思うんですけど、おいしいものはみんな食べたいじゃないですか!お店で取り扱っている商品はどれもおいしいので、それをきっかけにしてもらえたら嬉しいですね。


誰もが手に取れるように、おいしく、安心で、手軽に買える商品を探し続けていく、ゆむら商店さんのこれからが楽しみです!


実際に量り売りを体験!

小林:普段量り売りで購入することがなかったため、自分でほしい分だけ量って購入することが楽しかったです!ちなみに私はお味噌汁が大好きなので、干し椎茸と麹を買いました。出汁が効いてておいしかったです!!

白倉:僕はマカロニとカレースパイスを購入しました!自分で量って入れることの楽しさはもちろん、お気に入りの容器があると、さらに買い物が楽しくなるのではないかと思います。最近ではセルフレジなどが増え、お店での人との関わりが少なくなる中で、「その場で量る」ことを通じて必ず何かしらのコミュニケーションが生まれるのも、量り売りの魅力だと感じました。


取材を終えて(学生アンバサダーより)

小林:今回取材させていただいたゆむら商店さんは、単に商品を販売するお店ではなく、「環境に配慮した暮らしを、無駄なく実践できる場所」でした。

また湯村さんのお話から、脱プラスチックやゼロウェイストの取り組みは、ストイックに頑張ることだけが正解ではなく、人との関係や生活のバランスをとりながら続けることが大切だと感じました。

「できるところから、少しずつ」
その一歩を後押ししてくれるのが、ゆむら商店さんのような存在なのだと思います。

皆さんもぜひ一度、ゆむら商店さんに足を運んでみてください!

白倉:環境問題に関心を持って日々の生活の中でできることに取り組んでいても、自分ひとりだと「本当に意味があるんだろうか」と立ち止まりそうになる瞬間があります。

湯村さんが「仲間が増えると嬉しい」とおっしゃっていたように、この場所が環境問題に関心を持っているのは自分だけではないんだということを実感し、誰かと一緒に前に進んでいく出会いの場になると感じました。

おいしさや環境意識、健康意識など、きっかけは様々だと思いますが、一人でも多くの人が少しの関心を持って、お店を訪れてみてほしいと思います。


店舗情報

ゆむら商店
所在地:宮城県大崎市岩出山下川原10-2
営業日:金、日、月
営業時間:10:00~15:00
公式ホームページ:ゆむら商店 – Home

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